日本のカジノの闇?カジノが金を貸してくれる!? | カジノワールド | カジノワールド

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特定複合観光施設区域整備法案(カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案)が2018年7月20日可決し、日本へカジノが出来ることへの期待が高まっていますが、その中に結構とんでもない項目があるのをご存知でしょうか?

特定資金貸付業務と呼ばれるもので、簡単に言うとカジノはカジノで遊ぶ軍資金を貸し付けることが出来るというものです。

パチンコ屋の近くには消費者金融があると揶揄される世の中ですが、カジノでは消費者金融へわざわざ行かなくても軍資金を調達できるなんて驚く方も多いでしょう。

今回は特定複合観光施設区域整備法案(カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案)で定められた、特定資金貸付業務の内容について、特定複合観光施設区域整備法案要綱を参照しながら、カジノ専門家としての観点で解説したいと思います。

特定資金貸付業務とは

2 カジノ行為を行う顧客の依頼を受けて当該顧客の金銭について行う次に掲げる業務(以下「特定金融業務」という)

(1)銀行その他カジノ管理委員会規則で定める金融機関を介し、カジノ事業者が管理する当該顧客の口座と当該顧客が指定する預貯金口座との間で当該顧客の金銭の移動に係る為替取引を行う業務(以下「特定資金移動業務」という。)

(2)当該顧客の金銭を受け入れる業務(以下「特定資金受入業務」という。)

(3)当該顧客に金銭を貸し付ける業務(以下「特定資金貸付業務」という。)

(4)金銭の両替を行う業務

特定複合観光施設区域整備法案要綱より引用

第二 定義の八の2によると、特定資金貸付業務とは特定金融業務の中の一つです。

カジノが顧客の依頼を受けて金銭を貸し付けることが出来るということがここには書かれています。

特定金融業務は銀行法の管轄外であるということも合わせて定義されています。

特定資金貸付業務については要綱の(8)~、法案本文の85条から書かれているので順に追っていきたいと思います。

特定資金貸付業務の規制

⑻特定資金貸付業務の規制 イカジノ事業者は、特定資金貸付業務においては、本邦内に住居を有しない外国人又はカジノ管理委員会規則で定める金額以上の金銭を当該カジノ事業者の管理する口座に預け入れている者以外の者に金銭を貸し付けてはならないものとすること。

ロカジノ事業者は、返済期間が二月を超える特定資金貸付契約を締結してはならないものとすること。

ハカジノ事業者は、貸付金について、利息を付することを内容とする特定資金貸付契約を締結し、又は利息を受領し、若しくはその支払を要求してはならないものとすること。

ニカジノ事業者は、顧客が特定資金貸付契約の返済期限までに貸付金を返済しなかったときは、 当該顧客に対し、その延滞した額につき年十四・六パーセントの割合で返済期限の翌日から起算 して返済の日の前日までの日数によって計算した額の範囲内において、違約金の支払を請求する ことができるものとすること。

ホカジノ事業者は、特定資金貸付契約に基づく債務を主たる債務とする保証契約を締結してはな らないものとすること。

特定複合観光施設区域整備法案要綱より引用

法案ですと第85条に該当する部分になります。特定資金貸付業務の具体的な内容が書かれています。

主に貸し付けの対象者はまず外国人観光客であるということと、カジノに定められた金額以上を預け入れていることで、日本人、海外在住の日本人、在日外国人も貸し付けの対象になるということが書かれています。

しかし、この預け入れなければいけない金額は、「カジノ管理委員会」自体がまだ発足していない状況なので全く見当もつきません。

海外でも前例のないシステムのため、今後の発表を待ちたいと思います。

貸し付けたお金の返済期限が二か月以内であることが定められています。

金銭の貸し付けにおいて、元金を超える返済額になってはいけない(利息を取ってはいけない)事が定められています。なお、書類の再発行や、顧客の要望で追加の事務処理が生じた場合は手数料が認められます。

無利子で賭け事の資金を得られるというのはものすごく魅力的なシステムに感じますが、カジノは理論上客が勝てないようなシステムになっており、売り上げが利益に直結するビジネスなので、巡り巡って貸し付けはカジノの利益になります。

二か月を超えても返済が確認できなかった場合は、年間14.6%の違約金を課すことが出来ます。この利率は14.6%で固定だそうです。

特定資金貸付契約によってカジノから貸し出されたお金を担保に、さらにカジノから借りることは出来ませんということです。

特定資金貸付の具体的な方法

⑼返済能力に関する調査等 カジノ事業者は、特定資金貸付契約を締結しようとするときは、顧客の返済能力に関する事項を調査し、その結果に基づいて貸付けの金額に係る限度額を顧客ごとに定めなければならないものとすること。また、カジノ事業者は、当該限度額を超えて貸付けをすることを内容とする特定資金貸付契約を締結してはならないものとすること。(第八十六条関係)

特定複合観光施設区域整備法案要綱より引用

一般的な借金と同じですね。

返済能力の調査をして、貸し付け可能な金額を設定し、それ以上は貸してはいけないということです。

負けたら貸し付けを受け、勝つまで借り続けるといったマーチンゲール法が実践できなくなっています。

⑽個人信用情報の提供等 イカジノ事業者は、当該カジノ事業者に対して信用情報(顧客の借入金の返済能力に関する情報をいう。以下同じ。)の提供をすることを内容とする契約(以下「信用情報提供契約」という。)を指定信用情報機関(貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第四十一条の十三第一項の規定による指定を受けた者をいう。以下同じ。)と締結したときは、遅滞なく、当該信用情報提供契約の締結前に締結した特定資金貸付契約で当該信用情報提供契約を締結した時点において貸付けの残高があるものに係る契約年月日、貸付けの金額等の事項(以下「個人信用情報」という。)を当該指定信用情報機関に提供しなければならないものとすること。

ロカジノ事業者は、特定資金貸付契約を締結したときは、遅滞なく、当該特定資金貸付契約に係る個人信用情報を信用情報提供契約を締結した指定信用情報機関(以下「契約指定信用情報機関」という。)に提供しなければならないものとすること。

ハカジノ事業者は、契約指定信用情報機関に顧客に係る信用情報の提供の依頼等をしようとするときは、当該顧客から同意を得なければならないものとすること。

ニカジノ事業者及びその行う特定資金貸付業務に従事する従業者等は、当該カジノ事業者から貸付けを受けようとする顧客の金銭債務の弁済能力に関する調査以外の目的のために契約指定信用情報機関に信用情報の提供の依頼等をしてはならないものとすること。(第八十七条関係)

特定複合観光施設区域整備法案要綱より引用

これも至極一般的な項目になります。

簡単に言うと、カジノ事業者が貸し付けを行う場合は、信用情報機関へ連絡を怠らずに連携していくことが定められています。

また、貸し付けに際して信用情報機関に紹介する場合は必ず顧客の同意を得なければならないこと、貸し付けの際の調査以外に信用情報機関への調査依頼をしてはいけないことが明記されています。

つまり、カジノ事業者自体が個人の信用情報を管理するのではなく、あくまでそれは外部の信用情報機関に委ねられているということですね。

逆に言うと、カジノで貸し付けを受けた場合は、カジノで貸し付けを受けたという履歴が信用情報機関に残ってしまうことが懸念されます。

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⑾取立て行為の規制 カジノ事業者又は特定資金貸付契約に基づく債権の取立てについて当該カジノ事業者から委託を受けた者(当該者から委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けた者を含む。)は、特定資金貸付契約に基づく債権の取立てをするに当たっては、人を威迫し、又は人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならないものとすること。(第八十八条関係)

⑿債権を譲り受けた者への規制

⑾等の規定は、特定資金貸付契約に基づく債権を譲り受けた者について準用するものとすること。(第九十条関係)

特定複合観光施設区域整備法案要綱より引用

借りたお金を溶かしてしまい行方をくらます輩というものはどこにでもいます。

カジノの軍資金として借りたお金であれば尚更です。

この条文では、カジノではなく、カジノ事業者から委託を受けた者がそういった場合の取り立てを行うことが記されています。

海外ですと、特に昔は所謂怖い人たちが地の果てまで追いかけてくる…なんてこともざらにありましたが、この条文では威嚇行為などが禁止されています。

ただ気になるのは「二以上の段階にわたる委託を含む」という文章です。

これは取り立てが、カジノと直接取引していない二次下請け業者でも認められていることを意味します。

一次下請け業者については厳しい監査のもとで選定されることが予想されますが、第二段階の委託された業者には、豊富な取り立てのノウハウを持った暴力団などの入る余地が十分に考えられるでしょう。

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特定資金貸付業務のまとめ

もちろんこれから細かい部分は修正されていくと思いますが、現状の法案を読む限りでは、カジノで軍資金を借金できることによって多額の借金を背負い、人生が破滅するようなことはなかなか起こりえないのではと思います。

なぜなら、日本人はおそらくかなりの金額を預け入れなければ、貸し付けを受けることが出来ません。

一般的な人の資産では難しいでしょう。

相当に返済能力が無ければ許可は下りないと思うので、パチンコ屋と消費者金融のサイクルのような構図とは違ったものになると思います。

また、消費者金融等で借り入れたお金を預け入れて貸し付けを受けることも、信用情報機関への照会ですぐに弾かれてしまうでしょう。

この特定資金貸付業務のモデルになっているのはマカオなどで暗躍するジャンケットです。

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日本のカジノではジャンケットを排除する方針で話が進んでいます。

しかし、カジノの売り上げを維持するために貸し付けは必要不可欠であると判断したのか、ジャンケットに入る利益を行政が掠め取るためなのかはわかりませんが、今回特定資金貸付業務という条項を含むカジノ法案が可決されました。

当然せっかく排除したジャンケットに準ずるシステムを導入することには今後批判が予想されますが、貸付に関わる細かい部分をしっかり整備して、不安要素がないようなものになってほしいと思います。

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